コンテナやプレハブなら見聞きしたことはあるけれど、ユニットハウスを知らないという方がほとんどではないでしょうか。ここでは、ユニットハウスにについて、コンテナとの違いに注目してみたいと思います。
ユニットハウスは、プレハブと同様に部材を工場で生産する建築物です。
そのためプレハブの一種に数えられています。
しかし、現場で組み立るプレハブとは違い、ユニットハウスでは工場で構造体まで完成させています。
コンテナハウスも同様に、工場で完成させ、あとは現場まで運ぶだけという工法が取られています。
では、ユニットハウスとコンテナハウスでは、どこが異なるのでしょうか?
根本的な違いは、ユニットハウスがプレハブと同じ「軽量鉄骨」で造られているのに対し、コンテナハウスは「重量鉄骨」が用いられているということです。
「軽量鉄骨」は鉄骨の厚みが6mm未満、「重量鉄骨」は厚み6mm以上と定められています。
軽量鉄骨を採用しているユニットハウスと、重量鉄骨でできているコンテナハウスでは、骨組みに違いが。
重量鉄骨は軽量鉄骨より建物を支える力が強いため、コンテナハウスのほうがユニットハウスよりも骨組みが少なく済みます。
では、骨組みが少なくて済むとどうなるかと言うと、その分、室内空間に自由度が増すのです。
間取りも骨組みを考慮しないでよくなりますし、ドアや窓も設置できる箇所の自由度がアップします。
ユニットハウスもコンテナハウスも、建築物は工場で組み立てられ、あとはトラックで現場に運ぶだけ。
天候にも左右されないため、最短で1~2日あれば設置は完了。
よって、施工期間では、両者に大きな差異はないと言えるでしょう。
建物には「法定耐用年数」が定められています。
これは、財務省が定めた資産ごとの耐用年数のこと。
軽量鉄骨と重量鉄骨では、この法定耐用年数に違いが見られます。
重量鉄骨を用いたコンテナハウスの法定耐用年数は34年。
対して、ユニットハウスは鉄骨の厚みで耐用年数も分けられています。
鉄骨の厚みが3mm以下であれば法定耐用年数は19年。
4mm以上であれば27年と決められています。
ユニットハウスの建築にかかる費用は、現在だと坪30万円~40万円ほど。
木造の建物よりやや値段が安い、もしくは同じぐらいの価格です。
基礎などの土台を含め、コンテナ1台分の建築にかかる費用は坪50万円以上。
これは、木造の建物よりもやや高いか、同じぐらいの価格帯。
ただし、耐用年数を比較すると、木造建築が22年、コンテナハウスは34年となり、単純なコスト計算ではコンテナハウスのほうがお得になります。
また、重量鉄骨を採用した建物としては、コンテナハウスは比較的コストがかからないのも特筆したい点。
軽量鉄骨のユニットハウスと、重量鉄骨を採用しているコンテナハウスとの大きな違いが、鉄骨の厚さ。
鉄骨の厚みでどんな差があるかと言うと、まず断熱性に違いが現れます。
重量鉄骨のコンテナハウスのほうが、軽量鉄骨の建築物よりも断熱性や防音性に長けているのです。
よってコンテナハウスのほうが光熱費を抑えられ、室内では落ち着いて静かに暮らせると言えるでしょう。
ユニットハウスとコンテナハウスは、似たような製造のされ方をしていますが、骨組みの強度の違いから外観にも差が見られます。
基本的に、ユニットハウスの壁にはあまりバリエーションがありません。
デザインは規格に沿って、あらかじめ用意されている物を取り付ける、はめ込み式になっています。
その反面、費用は抑えられます。
建築用のコンテナは、鉄骨の柱と梁で全体を支える構造になっています。
そのため壁を含め、そのほかは自由度が高く、コンテナハウスの色も自由に選べます。
一般的な住宅であれば少し浮いてしまうような赤やピンク、オレンジと言った壁でも、コンテナであれば色の映えたおしゃれな建物に。
そのため店舗として利用されることもあります。
ドアや窓の位置を、設計によって変化を持たせたりもできますが、その際には追加工事やオプション料金が発生します。
ユニットハウスは、建築物を組み立ててからトラックで運ぶため、高さに制限があります。
2.7mがその一般的な基準です。
加えて、ユニットのスペースにも限界があるため、大きな部屋を造るのには向いていません。
ただし、ユニットを追加して全体の面積を増やすことができます。
その上で、1フロアを広くするためには設置したあと壁を取り外すといった工程が必要です。
また、大型トラックが入れる道幅やスペースがない場所には、ユニットハウスもコンテナハウスも建てられません、
工程など似ているように思えても、ユニットハウスは軽量鉄骨、コンテナハウスは重量鉄骨と、構造には基本的に差が見られます。
住宅の快適性や耐久度にも影響するので、違いをしっかりと把握し、目的に沿って選びたいところです。
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