海上輸送用である海上用コンテナとコンテナハウスで使用されている建築用コンテナ。見た目は同じように見えるが、実は構造上の違いある。海上用コンテナと建築用コンテナの違い、それぞれの特徴について解説する。
海上用コンテナと建築用コンテナの違いは、その規格にある。建築用コンテナはあくまでも海上輸送用コンテナの規格を模倣したものであり、海上用コンテナは壁構造であるが建築用コンテナは柱・梁による構造設計が行われるため天井や壁面開口部を自由に設計できるという特徴がある。
海上輸送用のコンテナは国際規格であるISO規格に則ったものであり、世界で統一された規格で作られている。そのため、各国・各地の港での荷揚げ・荷下ろしがスムーズに行われるのだ。
一方、建築用コンテナは日本の建築基準法や日本産業規格であるJIS規格に則ったものである。耐火や耐震、防火や環境衛生が考慮されている。
海上用コンテナは、「国際海上貨物用コンテナ」と呼ばれる国際規格であるISO規格で標準化されているものである。代表的なコンテナ規格が、次の4種類だ。
最大30トンもの重量があり、それを何段も積み上げる海上用コンテナは非常に高い強度を持つ。また、海水や太陽光にさらされる状況もあり、高い耐久性を持つ必要がある。
海上用コンテナは、様々な交通機関で貨物を運ぶために使用される。
海上用コンテナは、輸送する貨物により種類が分けられる。
建築用コンテナは日本の建築基準法をクリアしている。海上用コンテナは開口部を開けると強度が落ちてしまうこと、JIS鋼材で造られていないことから建築基準法の基準を満たさない。
建築用コンテナは建築基準を満たすために作られたオリジナルのコンテナだが、海上用コンテナと同じ寸法で造られている。
主に使われるサイズは、次の2種類だ。
同じ寸法にすることで既存の物流システムを利用することが出来る、世界中どこでも輸送できるというメリットがある。
建築用コンテナは段積みが可能となっている。また、通常の建物よりも短期で完成できるのも建築用コンテナのメリットである。
建築用コンテナは日本の建築基準法をクリアしなければいけないため、中古の海上用コンテナを転用することが難しい。そのため、木造建築よりも高い施工費が必要となる。
建築基準法を満たすために中古のコンテナを加工することもできるが、新品の建築用コンテナを購入するのと同じくらいの費用がかかってしまう。
また、建築用コンテナは梁と柱による構造となっており、柱を取り除くことができない。
コンテナは鉄製であり、重ねて設置することもできるなど高い耐久性を持つ。また密閉度が高く防音性もある特徴がある。
コンテナは平面で使用するのはもちろん、積み重ねて立体で配置することもできる。仮設住宅としても建築用コンテナが用いられることが多い。
複数のコンテナを横に繋げることでスペースを広げられ、縦に重ねる・異なる方向に積み重ねるなど様々なデザインにすることも可能だ。窓や扉を自由に付けられるのもメリットだと言えるだろう。
建築用コンテナは木造建築よりも高くなるが重量鉄骨を建てるよりも建築費用が抑えられる。賃貸物件に建築用コンテナが用いられるのも、建築費用を抑えるためだ。さらに、搬入や組み立ての人件費も抑えることができる。
建築用コンテナによるコンテナハウスは、完成したものを輸送して設置するため、大型トラックが通るだけの道幅が必要となる。
また、コンテナを下すためのクレーンやフォークリフトなどが入れるスペースについては事前の確認が必要だ。
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